業務改善の8原則をコンサルタントが分かりやすく解説!業務改善・効率化の方法は8つだけ!

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業務改善をしろと言われても、「何から始めればいいのか分からない」「新しいツールを入れるべき?」と悩んでいませんか?

実は、業務改善はツールを導入しなくても、今の業務を少し見直すだけで進められるのです。

本記事では、誰でも簡単に実践できる「業務改善の8原則」を紹介し、手軽に業務改善・業務効率化が行える方法を解説します。

業務改善の8原則とは?まずは考え方を知ろう

業務改善を進めるには、「どこをどう改善すればいいのか?」という判断基準が必要です。

難しいフレームワークや専門知識がなくても、シンプルな考え方を持つだけで業務改善は可能です。
そこで活用できるのが「業務改善の8原則」です。

この原則を知ることで、職場の業務を見直す視点が得られ、スムーズに改善のポイントを見つけられるようになります。
まずは、8原則がどのようなものかを確認していきましょう。

業務改善の8原則とは?シンプルに理解しよう

業務改善の8原則とは、仕事を効率化するための基本的な考え方 であり、すべての業務に適用できるシンプルなルールです。

業務改善の8原則の由来は?

「業務改善の8原則」という考え方は、特定の一人が提唱した公式なフレームワークではなく、トヨタ生産方式(TPS)やリーンマネジメント、カイゼンの手法を基に整理された業務改善の普遍的な視点です。

トヨタ生産方式(TPS)は、1950年代にトヨタ自動車の大野耐一氏によって確立されました。この手法は 「無駄をなくす」「標準化する」「見える化する」 などの概念を含み、これらが後に様々な業界で応用され、業務改善の基本原則 として体系化されました。

特に近年では、リーンマネジメント(Lean Management)やアジャイルの考え方と組み合わせる形で、シンプルで汎用性の高い業務改善の原則 として定着しています。

業務改善を進める際、「何をどう変えればいいのか?」と迷うことがあります。8原則を知っておけば、その判断基準が明確になり、改善の方向性をシンプルに整理できる ようになります。

例えば、トヨタ生産方式(TPS)では 「ムダをなくす」「標準化する」「仕事を見える化する」 などの視点を重要視しています。

このような視点は製造業だけでなく、オフィスワークやサービス業、IT業界など幅広い分野で応用可能 です。

業務改善の8原則一覧:これだけ把握すればOK!

1. 無駄をなくす(ムダ取り)

目的: 業務の中に潜む非効率な要素を排除する
対象: 仕事自体は必要だが、ムダな手間・時間がかかっている作業
アプローチ: プロセスを見直し、効率化・最適化する

📌 具体例:

  • 定例会議の削減 → 毎週行っている会議を隔週に変更し、不要な時間を削減。
  • 報告書の簡素化 → 必要な項目だけを残し、読む側も作成する側も時間を短縮。
  • 二重管理の排除 → 同じデータを異なるシステムで入力している場合は、一元化して効率化。

2. 手順を簡単にする(シンプル化)

目的: 業務の流れをできるだけ少ない手順で完結させる
対象: 手順が複雑で、時間がかかる業務やミスが発生しやすい作業
アプローチ: 作業フローを見直し、 簡素化・統合する

📌 具体例:

  • 承認フローの短縮 → 3段階の承認を2段階に減らし、業務のスピードアップを図る。
  • 社内手続きの簡略化 → 出張申請など、不要な書類を減らし、スムーズな承認ができるようにする。
  • Excelの手入力を自動化 → 関数やマクロを活用し、繰り返し作業の手間を減らす。

3. 標準化する(属人化を防ぐ)

目的: 誰がやっても同じ品質で業務ができる状態を作る
対象: 特定の人しかできない業務引き継ぎが難しい作業
アプローチ: マニュアル化・テンプレート化・ルール統一を行う

📌 具体例:

  • 業務マニュアルの作成 → 新人でも同じ品質の業務ができるよう、マニュアル化する。
  • テンプレートの活用 → よく使うメールや資料はテンプレートを作り、全員が統一フォーマットで作成できるようにする。
  • 業務の引き継ぎ準備 → 誰がやっても同じ成果を出せるように、ナレッジ共有の仕組みを作る。

4. すぐできるようにする(即時性の向上)

目的: 業務の停滞を防ぎ、スムーズに作業ができる環境を整える
対象: 必要な情報が見つからない、 作業に入るまでに準備や確認が必要な業務
アプローチ: デジタル化・アクセス性の向上・ショートカット活用を行う

📌 具体例:

  • ファイルの整理 → よく使う資料をクラウド上に配置し、すぐアクセスできるようにする。
  • ショートカットの活用 → よく使うシステムやフォルダにショートカットを作成し、作業時間を短縮。
  • 会議アジェンダの事前共有 → 会議前に議題を共有し、無駄な時間を減らす。

5. 役割を明確にする(責任の明確化)

目的: 「誰がやるのか?」を明確にし、業務の抜け漏れを防ぐ
対象: 責任が曖昧で、 業務の属人化が起こりやすい作業
アプローチ: タスク管理ツール導入・担当範囲の明確化を行う

📌 具体例:

  • 業務担当者の明確化 → 誰がどの作業を担当するのかを明確にし、責任の所在をはっきりさせる。
  • タスク管理ツールの活用 → TrelloやNotionを使って、チームのタスク状況を可視化。
  • 役割分担表の作成 → 週単位での担当者を決め、業務の属人化を防ぐ。

6. 仕事を見える化する(情報の整理)

目的: 業務の進捗を可視化し、共有しやすくする
対象: 進捗状況がわかりにくく、関係者間の認識ズレが発生する業務
アプローチ: タスク管理・KPIダッシュボードの活用を行う

📌 具体例:

  • タスクボードの活用 → 進捗状況をホワイトボードやデジタルツールで可視化。
  • ダッシュボードの活用 → KPIや進捗データを一目で把握できるダッシュボードを導入。
  • 定期的な情報共有会の実施 → 週次ミーティングで進捗を報告し、課題を早期発見。

7. 仕事を減らす(不要な業務をやめる)

目的: そもそもやる必要があるのか?を見直し、なくせるものはなくす
対象: 時代遅れ・慣習で続けている 意味のない業務
アプローチ: 業務そのものを 廃止・削減 する

📌 具体例:

  • 無駄な会議を廃止 → 形式だけの会議を見直し、本当に必要なものだけにする。
  • 不要な報告書を削減 → 使われていない報告書をやめ、必要なものだけを残す。
  • 毎日行っている作業の見直し → 毎日やるべきか再検討し、週1回で済むものは頻度を変更。

8. 自動化できるものを探す(省力化)

目的: 手作業の負担を減らし、業務を自動化する
対象: 繰り返し作業・ルーチン業務・入力作業など
アプローチ: RPA・GAS・マクロ・テンプレートの活用

📌 具体例:

  • Excelのマクロや関数を活用 → 手作業で行っていた集計を自動化し、時間短縮。
  • RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)導入 → 繰り返し業務をソフトウェアで自動化。
  • GAS(Google Apps Script)で定型業務を自動化 → 定期的なレポート作成を自動化し、手作業を減らす。

8原則は「型」ではなく「視点」として活用しよう

業務改善の8原則は、厳密なフレームワークではなく、業務を見直すための視点(チェックリスト)として活用することが重要です。

業務改善の方法は、業界や職種、組織によって異なります。
そのため、状況に応じて適したものを選定し、柔軟に適用するのが大切です。

まず何から始める?初心者向けの実践ステップ

「業務改善の8原則を理解したけど、結局どこから手をつければいいの?」と迷うことはありませんか?業務改善は 大きな改革をすることではなく、小さな改善を積み重ねること が重要です。本章では、業務改善の初心者でも 無理なく実践できるステップを紹介します。

課題・非効率がありそうな業務に目星をつける

まず、業務を改善する際には、改善する対象を見つけることが必要です。
とはいえ、一見ムダな業務や非効率な業務に思えても、現時点ではその業務で回っている、ということを忘れてはいません。

すぐに改善しないといけない、と決めつけずに、まずは課題や効率化の余地がありそうな業務、として洗い出しを行いましょう。

以下のような条件に当てはまる業務は改善の余地がある可能性が高いです。

  • 人間による判断を行っていない/判断基準が明確である/マニュアル化できている
  • 紙からシステムへの入力や、コピー&ペーストなどの転記作業
  • 繰り返し行う回数が多い
  • ヒューマンエラーが頻発する
  • 複数部署・複数名での伝言ゲームが発生している

とはいえ、課題・非効率がありそうな業務に目星をつけた際、必ずしも改善・効率化できるとは限りません。

一見非効率に見えても、取引先との取り決めや法令・導入されているシステムによって、その業務が必要とされている可能性もあり、そのような場合には効率化できない可能性もあります。
まずは改善の余地がありそうな業務を洗い出し、関係者にヒアリングを行うなどにより、どのような経緯で現在の業務となっているかを確認しましょう。

業務の前後の流れを整理し、課題を具体化する

改善の余地がある業務に目星がつけられたら、その業務について前後の流れや、関わっている人・システムを洗い出し、本当に改善の余地があるかを精査する必要があります。

業務を無くす/減らすことを検討する

改善を行う対象の業務が精査出来たら、改善について具体的に考えます。

多くの企業では「どのシステムを入れるか?」「自動化できないか?」という議論が行われがちですが、まずは業務を廃止する・減らすなどの方向で考えましょう。

業務を自動化・効率化できないかを検討する

業務に非効率な点はあるけど、無くすことが出来ない場合、ようやくここで、自動化や効率化の検討を始めます。

この際には「システムを新規に導入する」という議論になりがちですが、システム導入には多額のコストが掛かります。

そのため、まずはすでに契約済みのサービスを活用できないかについて検討します。

例えばGoogleWorkspaceが導入されていれば、スプレッドシートやGoogleAppsScriptが、Micorsoft365が導入されていれば、PowerAutomateが利用可能です。

まとめ:業務改善は専門知識がなくてもできる!

業務改善というと、「専門的な知識が必要」「大掛かりなプロジェクトになる」と思われがちですが、実はそんなことはありません。本記事で紹介した 8原則を活用すれば、誰でも手軽に業務改善を進められます。 最後に、この記事の要点を振り返りながら、今すぐ実践できるポイントをおさらいしましょう。

業務改善は「新しいツール導入」ではなく「今ある業務を見直すこと」

業務改善の本質は、新しいツールを導入することではなく、既存の業務を見直し、より良いやり方に変えること です。

  • 不要な会議を減らす → 週1回を隔週にするだけで、大幅な時間短縮に
  • 報告フォーマットを簡素化 → 無駄な手順を省き、シンプルにまとめる
  • 二重管理の業務をなくす → Excelやツールの重複を避け、データを一元化

8原則を意識するだけで、改善の方向性が見えてくる

8原則は 業務を見直すためのシンプルな「視点」 であり、難しい理論を知らなくても活用できます。

  • 「この業務、本当に必要?」 → 「無駄をなくす」の原則
  • 「もっと簡単にできない?」 → 「手順を簡単にする」の原則
  • 「誰でも同じようにできる?」 → 「標準化する」の原則

まずは「小さく始めること」が業務改善の第一歩

いきなり大幅に業務を変革しようとせず、簡単に変革ができる箇所から着手しましょう。

  • 定型業務のテンプレートを作る → 毎回の手間を減らせる
  • 業務のショートカットを作る → 時間短縮の効果を実感しやすい
  • 改善の成果をチームで共有する → 他の人にも活用してもらうことで、改善が広がる
この記事を書いた人
WorkHack

2015年に早稲田大学を卒業。コンサルティングファームに新卒入社し、業務・システム領域のコンサルティングに携わりました。その後、スタートアップ企業にジョインし、動画制作事業を立ち上げ、自社の収益の柱となるまで育て上げ、さらに情報システムの責任者としてCRMやMAなどのツール導入を行いました。現在はSaasのカスタマーサクセスに従事する傍ら、製品の活用率向上や自社の業務フロー変革の取り組みを行い、幅広い領域で貢献をしてきました。
営業やマーケティングのプレイヤーの経験や高い解像度とテクノロジーと業務変革の知見の両方を持ち、お客様の業務の変革に貢献致します。

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