生成AIを使わない営業が競合に負ける理由

ChatGPTが登場してから数年がたった現在、多くの企業が業務への生成AI活用を始めています。
競合は当然のように業務に生成AIを利用している中で、生成AIを活用しないままでいれば競争力が低下し、売上やシェアの低下を招きます。

例えば、通常数分程度はかかるメールの下書きが数秒で作成できるなど、業務効率が格段に上がります!
生成AIを積極利用している競合に負けないように、早期に利用を開始しましょう!!
競争力が低下する理由は大きく、効率と精度の2つの理由に集約されます。
生成AI活用による営業活動の効率の変化
営業の業務を思い返していただくと、同じような業務を反復して行うことが多いのではないでしょうか?
- 電話するリードを選ぶ
- アポイントを設定する
- アポイント相手について、公開情報や過去の経緯を取りまとめる
- 提案書を作る
- 商談を行う
- 議事録を作る
- お礼メールを書く
- 追客する
こういった反復が多い業務は、生成AIによって大幅な効率化が可能です。
次の章で生成AIを利用できるポイントについて、実際のプロンプトも交えながらご紹介します!
生成AI活用による営業活動の精度の向上
営業では、売れる人と売れない人がはっきりと別れます。
さらには新入社員はビジネスマナーも身に付いていない状態からのスタートとなるため、敬語やマナー面で顰蹙を買うこともあると思います。
売れない人を売れる人に変える、新人を独り立ちさせるなどには、売れている先輩社員が膨大な時間を費やして行う必要がありました。
しかし、生成AIを利用することによって、誰でも一定レベルのスクリプトの作成やメールの作成が可能となりました。
生成AIにより、組織内全員のベースを一定品質まで引き上げることが可能です。
営業での生成AIの活用方法8選

それでは、生成AIが実際にどのように営業の効率や精度の向上に役立てられるのかをご紹介します。
すぐに役立てられるプロンプト(生成AIへの指示)を含めてご紹介しますので、ぜひこの記事をブックマークして実践してみてください。
この記事は営業にフォーカスするため、マーケティング活動によって見込客を獲得できてからの営業活動の流れに沿ってご紹介します。
①トークスクリプトの作成
問い合わせや資料請求があった際、打ち合わせの設定のため、メール・電話での連絡を行うかと思います。
メールであれば組織内でテンプレートを共有している場合もありますが、電話は内容がケース・バイ・ケースとなることもあり、架電する営業担当によって、アポイント率に大きな差が生じることもあります。
トークスクリプトは、慣れている方であれば、難なく作成・改善を行えるかと思いますが、
慣れていない方にとってトークスクリプト作成は一苦労で、時間をかけたからと言って良いスクリプトに仕上がるとは限りません。
そのような際は生成AIを利用してみましょう。
プロンプト例:
当社はSEOコンサルティングサービスを提供しています。
「2025年のGoogle検索アルゴリズムで上位表示させる方法」の資料をダウンロードしたリードに対し、架電で打合せを打診を行うため、架電でのトークスクリプトを提案してください。
打合せはお客様のSEOにおける悩みに答えつつ、当社のSEOコンサルティングサービスの販売につなげることを目指します。
今回の架電では、直近でSEOコンサルティングサービスの契約をするお客様だけでなく、将来的に契約する可能性のあるお客様までをターゲットとして打合せ設定を目指しています。
お客様から言われる可能性の高いことを想定して、言われたことに応じてスクリプトを分岐させるようにしてください。
自社のビジネスや、お客様がどのような状態か(資料をダウンロードした、サイトにアクセスした、セミナーに参加したなど)を詳細に伝えることにより、より的確な回答が得られます。
②過去のログを読み込ませて、ターゲットを見つける
SalesforceやHubspotなどのCRMが導入されている企業であれば、「●ヶ月以内にサイトにアクセスしている」などの定量的な条件での絞り込みは簡単にできますが、「XXに興味を持っている」「▲▲の課題がある」といった定性的な絞り込みは、1つ1つの議事録やメールを確認する必要があり、これまではスムーズに行うことができませんでした。
CRMが提供するAIや、Googleが提供するNotebookLMを利用することによって、過去のログを読み込み、定性的な条件での絞り込みを行うことができます。
プロンプト例:
過去の議事録より、当社サービスのXXのメール通知機能に関して、使い勝手の悪さや機能不足を指摘している企業を一覧化してください。
「システムがアップデートされ、新機能が追加された」「新製品を発売する」といったシチュエーションであれば、従来製品の機能不足を理由に失注したお客様に再度のアプローチを行うことにより、成約する可能性があります。
③商談前の情報収集の自動化
商談の前の準備も、相当な時間を要する作業の一つです。
相手の企業名や過去の議事録やサイトのアクセス履歴など、参照するものが多くあります。
このように面倒な商談準備は生成AIを使って爆速で終わらせましょう。
③-1.公開情報の収集
2025年2月26日ごろより、ChatGPTの有料プランを利用しているユーザー向けに「Deep Research」の機能がリリースされました。他のいくつかにの生成AIサービスでも同様のサービスが提供されていますが、WEB上から情報を取得する機能となります。
ChatGPTであれば、入力欄の下の「検索」を有効にすることで利用が可能です。

プロンプト例:
#依頼内容
次回の商談に向けて、相手先企業の情報を調査してください。
#対象企業
企業名:〇〇株式会社
業界:製造業(自動車部品)
本社所在地:東京都
#調査の目的
商談前に相手企業の事業内容、業績、戦略、課題を把握する。
自社製品・サービスの提案に役立つ情報を得る。
競合環境や市場動向を理解し、商談での戦略を立てる。
#調査対象項目
##企業概要
- 設立年、資本金、従業員数、主要拠点
- 事業内容、主要製品・サービス
- 組織体制(経営陣・主要な部署)
##業績・財務情報(可能な範囲で)
- 直近の売上高・利益
- 過去数年間の業績推移
- 主要な収益源・コスト構造
##市場環境と競争状況
- 主要な競合企業と比較した強み・弱み
- 業界トレンド・市場動向(成長分野・リスク要因)
##最近のニュース・プレスリリース
- 直近の事業戦略(新規事業、M&A、提携など)
- 重要なアライアンスや新製品発表
- 業界での評判や市場評価
##取引実績・関係性(可能なら)
- これまでの取引履歴・関係性
- 競合との取引状況
- 価格戦略や購買ポリシーの傾向
#情報ソースの希望
企業の公式サイト、決算報告書、プレスリリース
業界ニュース、信用調査レポート
各種ビジネスデータベース
#出力形式
要点を整理したレポート形式(A4 1〜2枚程度)
重要なデータや数値はリストや表で整理
最新のニュースや戦略は、簡潔なまとめとともに出典を明記
#トーン・スタイル
フォーマルで論理的なレポート形式
経営層や営業チームがすぐに活用できる実用的な情報を重視
以前から大企業であれば、事前に学習したデータを元に回答が得られましたが、Deep ResearchではWEBからリアルタイムで情報を取得するため、大企業以外も対応が可能になりました。
中小企業ではWEB上の公開情報が少ない場合も多いため、限界はありますが、WEB上での情報公開が多い企業であれば、これだけで十分な情報が集まります。
自社の商材に合わせ、プロンプトをカスタマイズすることで、より使いやすくなりますので、ぜひカスタマイズしてお使いください
③-2.過去のログの収集
自社が保有する過去の議事録や資料のダウンロード、WEBサイトへのアクセス履歴なども商談前に収集する必要があります。
こういった作業に適する製品はNotionやNotebookLMが挙げられます。
またSalesforceやHubspotなどのCRMにも最近は生成AIが搭載されているため、CRMを利用している場合は搭載された生成AIによって実現が可能な場合があります。
プロンプト例:
XX社とのこれまでの打合せに対して、各回のトピックを箇条書きで端的に纏めてください。
先方から質問を多くもらった、ポジティブなコメントをもらったなど、興味・関心が高そうなトピックについては、そのトピックの先頭に"★"を含めてください。
あらかじめ議事録を初めとするデータを集約しておく必要があるため、現時点でデータの集約が行えていないのであればデータの集約から始める必要があります。
④提案資料の構成や内容を提案させる
商談時に相手に見せる提案資料の作成に苦戦することはないでしょうか?
生成AIに案を提案してもらい、それを元にして作り始めることが可能です。
プロンプト例:
#依頼内容
企業向けの業務効率化ツール導入を提案するプレゼン資料の構成案を作成してください。
#背景情報
クライアントは大手製造業の情報システム部門。
現在、社内での業務効率化が課題となっており、ツール導入の検討を進めている。
ただし、新規ツール導入には社内の稟議プロセスが複雑であり、ROI(投資対効果)の説明が必要。
#目的
クライアントに対し、業務効率化ツールの導入メリットを理解してもらう。
上層部の承認を得るための説得力ある資料を作成する。
#想定読者
情報システム部門のマネージャーおよび担当者
経営層向けの簡潔なサマリーも必要
#出力形式
PowerPoint資料の構成案(スライドタイトルと要点)
必要に応じて補足説明を追加
#構成の希望
表紙(提案テーマと企業ロゴ)
アジェンダ(本資料の流れを明示)
課題の整理(現在の業務効率の問題点、データを交えて説明)
解決策の提示(導入するツールの概要、特長)
導入によるメリット(業務改善、コスト削減の見込み)
導入事例(他社成功事例があれば記載)
ROIの試算(導入コストと効果のバランス)
導入スケジュールと次のステップ(具体的な進行計画)
まとめと提案(最終的な提案内容の整理)
#トーン・スタイル
フォーマルで論理的な構成
過度に技術的な説明を避け、経営層にも伝わる簡潔な表現
相手の企業情報や現在導入されているシステム、提案予定の商材などをより詳細に伝えることにより、より適切な案が提示されるようになります。
また生成AIのモデルによっては、画像生成に対応しているため、資料に含めるイメージ画像などの作成も任せることが可能です。
⑤WEB会議の録画データを文字起こし⇛要約⇛宿題事項の抽出
Zoom、Teams、GoogleMeetなどの主要なWEB会議ツールは録画や録画データの文字起こし・要約に対応しています。
そのため、商談がWEB会議であれば、自動で文字起こしができます。
文字起こししたデータを、生成AIにアップロードして以下のような指示を送ることにより、要約やネクストアクションの抽出が可能です。
プロンプト例:
#依頼内容
WEB会議の自動文字起こしデータを要約し、重要なポイントとネクストアクションを抽出してください。
#会議の概要
会議名:〇〇プロジェクト定例会議
開催日時:2025年2月XX日 XX:XX~XX:XX
参加者:〇〇株式会社(A氏、B氏)、自社(C氏、D氏)
目的:プロジェクトの進捗確認と次のステップの決定
#出力内容
##会議の要約(A4 1ページ以内)
- 全体概要(会議の目的、主な議題)
- 重要な議論ポイント(決定事項・保留事項・課題)
- 発言の要点整理(誰が何を提案・指摘したか)
##ネクストアクション(アクションアイテムのリスト化)
- ToDoリスト(担当者・期限つき)
- 確認が必要な事項(誰が確認するか明記)
- 次回会議のアジェンダ案(必要に応じて)
#トーン・スタイル
簡潔で明瞭なビジネスレポート形式
箇条書きや表を活用し、視認性を高める
過度な冗長表現を避け、実務的に活用しやすくする
#入力データに関する補足
音声認識の精度にばらつきがある可能性があるため、誤認識が多い部分は適宜補正しながら要約してください。
長時間の会議のため、冗長な会話や関係のない雑談部分は省略して構いません。
⑥WEB会議の宿題事項を元にお礼メールの下書きを作成
前段で作成したWEB会議の要約を元にお礼メールの下書きを作成することが可能です。
プロンプト例:
#依頼内容
先ほど要約を依頼したWEB会議について、先方に送るお礼メールを作成してください。
#会議の概要
会議名:〇〇プロジェクト定例会議
開催日時:2025年2月XX日 XX:XX~XX:XX
参加者:〇〇株式会社(A氏、B氏)、自社(C氏、D氏)
議題:プロジェクトの進捗確認と次のステップの決定
#メールの目的
会議に参加いただいたお礼を伝える
会議の要点を簡潔に振り返る(決定事項・保留事項など)
ネクストアクションを明示し、次の対応について認識を統一する
必要に応じて次回会議の調整を行う
#出力内容
##件名:〇〇プロジェクト定例会議の御礼(または「先日はありがとうございました」など)
##宛先:〇〇株式会社 A氏・B氏宛
##本文
- 冒頭:お礼の一文(例:「本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただきありがとうございました。」)
- 会議の要点整理(決定事項・保留事項を簡潔に)
- ネクストアクション(担当者・期限の明記)
- 今後の進め方(次回会議の予定や、必要なフォローアップ)
- 結び:引き続きよろしくお願いしますの一言
##署名(自社名、担当者名、メールアドレス)
#トーン・スタイル
ビジネスメールとして適切なフォーマルな文体
簡潔かつ明瞭に、要点を押さえる
ネクストアクションを明確にし、認識のズレを防ぐ
相手の協力に感謝の意を示す
また宿題事項が発生した場合に、自社サービスの資料や利用規約、導入事例などをアップロードしたNotebookLMを用意しておけば、宿題事項の内容によっては瞬時に回答を作成することが可能です。
⑦メールの誤字脱字チェック
メールを作成した直後は、「問題ないだろう」と思っていても、送った後で見返すと意外と誤字脱字が含まれていることがあります。

送った後に気付くとヒヤっとしますよね
新入社員であれば、敬語が誤っていたり、ビジネス上不適切な表現となっていることもあります。
今回は新入社員が作成したメール、という想定でプロンプトを作成しました。
プロンプト例:
#依頼内容:
新卒1年目の営業担当が作成したビジネスメールをチェックしてください。
#目的:
相手に失礼のない丁寧な表現になっているか
誤字脱字や文法ミスがないか
読みやすく簡潔な表現になっているか
ビジネスメールとして適切なフォーマットになっているか
#メールの概要:
宛先: 〇〇株式会社 A様
目的: 〇〇についての提案(またはお礼・依頼など)
送信者: 新卒1年目の営業担当(フォーマルな文調を意識する必要あり)
#チェック内容:
表現の適切さ(敬語・言い回しのミスがないか)
誤字脱字や文法ミス
ビジネスメールのフォーマット(件名・宛名・署名の正しさ)
論理的な流れの整合性(わかりやすく伝わるか)
改善提案(より良い表現があれば提案)
#注意点:
できるだけ自然な敬語表現を使うこと
余計な修飾語を省き、簡潔で伝わりやすい文章にすること
相手にポジティブな印象を与えるようなトーンを維持すること
毎回のメールのレビューは骨が折れる作業ですので、最終チェックのみを人が行い、事前に生成AIでチェックを行う、などで手間を省くことが可能です。
新人に限らず、経験がある営業でも誤字脱字や変換ミスはよくあることですので、長いメールの場合は念の為チェックすると安心ですね。
⑧問い合わせ対応のチャットボット化
営業の業務として問い合わせ対応が発生することが多くあります。
しかし問い合わせには、「サイトに情報が公開されている」「送付済みの資料に記載がある」など、営業担当者の時間を使って返信しなくて済む内容も多く含まれます。
問い合わせの一次対応を生成AIに任せて、本当に営業担当者による対応が必要なものだけに対応するようにすることで、営業により専念できることになります。
チャットボットを利用したことがある方は「精度が低くて使い物にならない」という印象をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、生成AI登場以降、チャットボットの精度は飛躍的に向上しています。
2025年以降はNotebookLMのように、ソースとなる情報をアップロードして、生成AIによる嘘(ハルシネーション)を最大限防ぐような製品も登場しているため、製品の資料や利用規約などをアップロードしておくことによって、より高精度な応答が可能となっています。
まとめ:営業活動のプロセスの随所に活用できるポイントあり!
8つの例を示したように、営業活動は反復的な業務が多いため、その随所に生成AIを利用する余地があります。
生成AIを使って営業活動における反復作業を効率的かつ高精度に行いましょう!
生成AIを活用した営業のメリット・リスク

ここまで生成AIがどのように活用できるかをご紹介しましたが、生成AIを利用する上のメリットとリスクを改めて整理します。
メリット①:営業活動の効率化と生産性向上
生成AIの活用により、営業担当者の作業負担が軽減され、よりお客様と向き合うことに注力できるようになります。
例えば、営業メールの自動作成、提案書の下書き作成、顧客対応のチャットボット運用などをAIが担うことで、これまで時間がかかっていた業務の時間が短縮され、お客様にアプローチをする時間を捻出できるようになります。
メリット②:品質のベースが上がる
従来の営業では、経験や勘を元に行うことが一般的でしたが、生成AIを活用することで誰でも一定品質以上の営業が可能になります。
例えば新卒の営業担当者は、メール作成や架電を行うにしても、先輩社員によるレビューやサポートが必要でしたが、作成したメール文面やトークスクリプトのレビューを生成AIが行うことで、独り立ちするまでの期間を短縮することも可能です。
リスク①:生成AIの回答は正確でない可能性がある
“ハルシネーション”という言葉があるように、生成AIは嘘をつく可能性があります。
嘘をつかれた場合、ある程度の経験のある営業担当者なら気付くことができますが、新人では嘘を見抜けない可能性があります。
最近はNotebookLMのようにアップロードしたデータのみを参照して、回答の生成やソースの表示を行ってくれるAIも存在するため、ある程度は防ぐことが可能ですが、回答を過信しすぎることは禁物です。
リスク②:生成AIの学習に利用されるリスク
生成AIは送信された内容を学習しながら精度を向上させています。
そのため、デフォルトでは送信したデータが学習に利用される設定となっている製品もあります。
学習されたからといって、直ちに情報漏洩が発生するとは限りませんが、他者への回答を生成する際の参考情報として利用される、などのリスクも存在します。
そのため企業として生成AIを導入する際や、社員への利用を許可する際は、学習に利用されないように設定変更を必須としましょう。
実際に導入するには?営業向け生成AIツール紹介

生成AIを営業に取り入れたいと思っても、「どのツールを選べばいいのか?」や「導入の際に何を考慮すべきか?」といった疑問を持つ方は多いでしょう。営業向けの生成AIツールにはさまざまな種類があり、用途や機能によって適したものが異なります。
本記事では、営業で活用できる主要な生成AIツールを厳選し、それぞれの特徴と選び方について詳しく解説します。
これを読めば、自社に最適なAIツールの選定と導入がスムーズに進むはずです!
① 生成AIツールを選ぶ際のポイント
以下のポイントで選定を行いましょう。
- 目的を明確にする → リード獲得?営業メールの自動化?商談準備?など、目的を明確にすると選択肢が絞り込める。
- 使いやすさを重視する → 営業チームが簡単に使えるかどうか。専門知識が不要なものを選ぶのがベスト。
- 他のシステムとの連携が可能か → 既存のCRMや営業支援ツールと連携できる、すでに保管しているデータを活用できる、など、自社の利用している既存のシステムに合わせて選択する必要がある
- セキュリティ対策が十分か → 顧客データを扱うため、情報漏洩リスクを考慮し、セキュリティ対策や、データの利用方針が明確化されているものを選ぶ
- まずは無料のものから→いきなり有償のものを導入するのではなく、まず一度無料で利用してみて、回答の精度が不足する場合に有償版を検討する
②営業で活用できる生成AIツールのカテゴリと代表的な製品
営業活動に活用できる代表的な生成AI製品を以下にご紹介します。
例えばGeminiであれば、GoogleWorkspaceを導入していれば、有償版相当の機能を無料で利用できるため、まずはそのような無料で利用できる製品を試すことをオススメします!

私はChatGPTの有料版をメインに使っています!
- ChatGPT
- 無料で利用可能だが、上位モデル(GPT-4o)やWEB検索機能の利用には月額20ドルの「ChatGPT Plus」への加入が必要
- 無料版はGPT-3.5のみ利用可能で、有料版では応答速度・精度が向上
- クリエイティブな文章生成やプログラミング支援、画像生成などが得意
- Gemini
- 無料で利用可能だが、上位モデルの利用にはGoogle Workspaceの契約が必要
- 無料版でも高度なコーディング支援が可能だが、有料版ではGoogle Cloudサービスとの統合が利用可能
- Google Workspaceとの統合に強みがあり、GmailやGoogleスプレッドシートから起動でき、メールの要約や関数の作成などが可能
- Copilot
- Windows 10以降では無料で利用可能。Windows 11ではタスクバーから直接アクセス可能
- 無料版では文章や画像生成、Webページの要約などが利用可能。有料版ではOffice製品(Word、Excel、Powerpointなど)との深い統合機能が追加
- Microsoft製品との統合が強く、業務効率化やコード補完に特化
- Claude
- 無料版あり。有料版(Claude Pro)では長文処理や高度な分析が可能
- 無料版は機能制限があるが、有料版ではより自然な日本語生成が可能
- 長文の解釈や日本語のライティングに優れ、文章作成に適している
- Perplexity
- 無料で利用可能だが、Proモードは1日5回までの制限あり
- 有料版ではGPT-4やClaude Sonnetを組み合わせ、リアルタイム情報提供が可能
- 最新のウェブ情報を取得し、出典を明示した信頼性の高い情報提供が得意
- NotebookLM
- Googleが提供するAI搭載のノートアプリで、情報整理やリサーチ支援が可能
- 無料で利用でき、事前にアップロードしたソースとなる情報を元に回答を生成するため、ハルシネーション(生成AIが嘘をつく現象)を削減
- 過去議事録や自社の製品資料などを格納することで、自社の専用AIとしての利用が可能
- Notion AI
- Notionに統合されたAIアシスタントが、Notion内の情報を元に回答を生成
- 無料で利用可能だが、高度な機能を使用するには有料プランが必要
- Notionを利用している場合、Notion内にある情報を瞬時に検索・要約するなどが可能
他にもSalesforceやHubspotなどのCRMが提供するAIもありますので、自社が利用しているCRMがAI機能を提供しているか調べてみましょう。
GeminiやCopilotについて、「導入しているはずだけど、利用できない」という場合は、管理者が利用できない設定としている可能性があるため、情報システムの管理者に問い合わせてみてください。
また組織単位で生成AIの利用について、禁止していることもあるため、社内で確認の上で利用しましょう。
③ 生成AI導入時に気をつけるべきこと
いきなり全員に導入するのではなく、本当に使えるかを見極めてから、拡大しましょう。
導入までに必要な作業を以下に整理しました。
- 活用余地がありそうな業務を見つける
- その業務に使えそうな生成AI製品の候補を絞り込む
- セキュリティ対策やデータ利用の条件を確認し、自社として問題ないか判断する
- 1ライセンスを最小契約期間で契約し、回答の精度を検証する
- 1つのチームなど、数名程度にライセンスを配布し、施行を行う
- (施行の結果が良ければ)導入対象を拡大する。
生成AI×営業の未来予測とこれからの戦略

生成AIの進化は目覚ましく、営業の世界でも急速に活用が広がっています。
しかし、現在の技術だけではなく、「今後どのように進化していくのか?」「営業の仕事はどう変わるのか?」という未来の視点を持つことが重要です。
本記事では、生成AIが営業活動にどのような影響を与え、どのように進化していくのかを予測し、これからの営業戦略にどう活かすべきかを解説します。
① 生成AIがもたらす営業の新たな可能性
現時点でも実現は可能ですが、数年内により一般的になると思われるのは以下の2つです。
- 商談中にアドバイスをくれるリアルタイム営業アシスタントの実現
- 顧客の感情や願望の自動推測とそれを踏まえての自動応答
営業の中でも、スクリプト通りのトークや定型文をベースとしたメールの送付は生成AIが行えるようになるため、より高度な対応に専念できるようになると思います。
② AI時代に求められる営業スキルとは?
「生成AIの使い所を見極めるスキル」と「生成AIを使いこなすスキル」は必須となります。
競合が生成AIを使いこなしている場合、少人数で多数の顧客に対し、高品質な営業を繰り広げることとなります。
その中で自社だけが生成AIを使いこなせなければ、淘汰される可能性が高まります。
そのため、生成AIを使うことによって
- 効率や精度の向上余地がある業務を見つける
- 適切なプロンプトを作り、理想的な回答を得る
というスキルが求められます。
生成AI時代の営業は「AI+人間」の共存がカギ
色々と生成AIの使い所についてご紹介しましたが、最終的な意思決定や信頼関係の構築は、人間の営業が担うべき重要な役割です。
これからの営業戦略は、「AIに任せる部分」と「人間が担う部分」を明確に分け、それぞれの強みを最大限に活かすことが求められます。